恋人のように仲良し、でもなく、感謝の気持ちも定期的に忘れ、お互いの欠点は今だに罵り合い、言いたいことはめんどくさいからもはや言わない。
見事、世の中でいう
「いい夫婦ランキング」の逆を闊歩しつつ、
なんとか結婚26年目を迎えた夫婦の妻の方が語る
「ラブじゃない夫婦だけど、なんだかんだやってこれた話」
読んでくれた人がちょっと肩の力が抜けてくれたら嬉しい。
織恵的パートナーシップ全6シリーズ中3作目。
▶︎織恵的パートナーシップ③先生大作戦
夫は几帳面だ。
特に掃除には徹底的にこだわる。
日曜日こそ、日頃のお弁当作りから解放されてゆっくり休みたい私なのだが、彼は違う。
休みとなれば朝8:00から各部屋一斉に掃除機がけ出す。それから拭き掃除、お風呂掃除にトイレ掃除、ベランダ掃除が始まるのだ。
う、うるせぇええええええ
布団を被るも、
彼の無言の圧力「早く起きて手伝えよ」に耐えられるのはせいぜい10分。
そして、のそのそと布団から這い出る。
これが我が家の休日の朝だ。
掃除してくれるのはありがたい。
めちゃくちゃありがたい。ただ彼はたちが悪かった。
「お前もやれよ」感がえげつないのだ。
やったらやったで
「もっとちゃんとやれよ!」と言ってくる。
何を言っている。
やってるではないか。
しかし彼の「できている」と私の「やっている」はどうやら違うのだ。だからいつまで経ってもこの溝は埋まらない。
毎週日曜日、私たち夫婦はこのやりとりで必ず喧嘩をするので、子どもたちもさすがにうんざりした顔をしていた。
私は常々思っていた。
「そんなにゆうなら、自分1人で気が済むようにやれや。」
そんなある日、こんなことがあった。
2人で夕飯後の食器を片付けていた時のこと、
彼が私にこう言った。
「あのさ、いっつも思うんやけど、織恵が洗った後のお茶碗とか、ご飯粒ついたままやねんけど、気にならんわけ?」
「んー、ついてるかな?」
「ついてるよ!」
「え、でもこれついてないやん。」
「それは俺が今洗ったからやろ!」
「あ、そっか!」
んー、、、白旗やな。
そこでこう伝えることにした。
「私は夫くんのように気にならないし、綺麗にできない。
夫くんはすごい。すごく綺麗にしてくれる。
私は夫くんには敵いません。
夫くん、あなたを食器洗い先生に任命します。」
そう、そんなにこだわるあなたはもう先生だ。
同じようにしなければならない、と思っていた時は、
彼の言葉一つ一つに批判されているようで嫌だった。
でも、言いたいことを気持ちよく伝えるために、「
先生」にお任せすることにしたら驚くほど楽になった。
そして彼も「先生」と言われて、心なしか嬉しそうなので、もはやwinwinなのである。
夫は今、たくさんの先生をやっている。
・食器洗い先生・拭き掃除先生・布団あげ先生・除湿シート巻き巻き先生・掃除機先生・お風呂掃除先生・ベランダ掃除先生
今週も彼は先生のお仕事に忙しそうである。
ではお伝えする。
▶︎織恵的パートナーシップ③先生大作戦
相手を立て、言いたいことを気持ちよく言う。