露天風呂なぁ。
ええよなぁ。。
まぁ、無理やけど。笑
この会話は一体何度、
我が家で繰り広げられてきただろうか。
体の麻痺によって
全身がつっぱり、
さらに勝手に手足が動き続けてしまうという、
1人賑やかな長男。
おかげで腹筋はバッキバキ。
体はアスリートも驚ろくほどの筋肉質だ。
多分このまま雑誌ananにも出れると思う。
そんな彼はお風呂好きだ。
いつも自分ではない誰かを優先し、
妹に「もういらない」という言葉を遮り
うなぎの肝吸いをぶっ込まれても、
「いいよ」
エレベーターに突っ張った足が危うく挟まれそうになっても
にっこり笑って
「いいよ」
いつも他の誰かを気遣い、
にっこり許してくれる彼だけど
お風呂だけは、
ごめん、今日は遅いからやめとこうか
というと、無表情になるほどお風呂好き。
特に彼は露天風呂に猛烈な憧れを持っていた。
まだ大人1人で彼を抱き抱えることができた頃
旅先で何度か入った露天風呂が「たまらん」らしかった。
その気持ちはわかる。
露天風呂は最高だ。
でも、もはや私なんてもちろん
男1人でもとてもじゃないが
彼の突っ張り、力強く動き続けようとする
彼の体をホールドすることは、もうできないのだ。
体の筋緊張を緩めるため、
バクロフェン手術もしたが、
確かに声は出やすくなったものの、
全身の緊張を落とすには程遠かった。
露天風呂なぁ。
ええよなぁ。。
まぁ、無理やけど。笑
これが旅行の話が出るたびに
必ず家族の中で交わされる一言だった。
だがなんということだ。
熱海いう初めての地で、
家族以外のサポートで、
「亮さん露天風呂に入る」が実現したのだ!!
その夜の様子は、
YouTubeで現在編集中。
詳しく紹介させて頂くので
是非ご覧になって欲しい。
旅先で
彼が露天風呂を諦めるということは
自然に家族も諦めるという選択だった。
もちろん彼だけ入らず、
家族だけ露天風呂に入る。
ということもできるが、
でもなんとなく、
それでは心の底からは楽しめないのだ。
彼が満面の笑顔で露天風呂に入れる
ということは
その家族もまた、満面の笑顔で露天風呂に入れる、ということなんだと
改めて感じた。
この旅で決めたことが一つある。
家族の温泉旅行は
熱海しか勝たん。
そして露天風呂は
「介護・福祉タクシー 伊豆おはな」さんと共にあり。
ご縁を繋いでくださった、
公益財団法人船井幸雄記念館の佐野浩一さん、ゆかりさんご夫妻。
本当にありがとうございました!
YouTubeお楽しみに❤️